SHIRASU

シラスの洞窟のようなエコハウス

 

お施主様のご要望

お施主様は、高温多湿な南九州の気候の中でも、エネルギーに頼らず、環境とつながりをもつエコロジーな暮らしを希望されていました。土地の風を感じ、雨水を貯め、土いじりを楽しむ。そんな土着な生活をされたいと最初のヒアリングでお話がありました。

敷地は鹿児島市中心市街地から程近いシラス台地の上に広がる住宅地にあります。そこでこの台地を形成する土、シラスという地下資源を材料にしてつくられた土着な家を考えました。

 
 
 
 

特別な素材を活かした工法、構造をデザイン

このシラスは耐火性・断熱性・調湿性・蓄熱性・軽量など他の地質にはない多くの特性をもっています。鹿児島市内で普及し始めていた舗装用シラス平板ブロックの加圧成型技術を生かし、建築の組積材としては初めての製作を試みました。外壁ブロックは、材料強度を確保するためシラスの配合を変え、内壁ブロックには吸放湿性を高めるためシラス原石を象嵌しています。このシラスの性質は、同時にブロックに積層した記憶の表情として表れています。

 
 
 

シラスブロックにより快適な温熱環境をつくる

シラスブロックを積み上げた内外中空層二重壁により、室内はシラスの洞窟のような土に包まれた空間になりました。壁・屋根ともに家全体をシラスブロックで包み、熱負荷を軽減しています。内壁ブロックは仕上げのまま、家のどの部屋にも取り囲み、室内の湿度を調整する機能を担います。そのため内部は、夏はひんやりと涼しく、冬は暖かく年間を通して安定した温熱環境となっています。

 
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フラット35の省エネルギー性能を担保


プランのポイントとしては、間仕切壁を最小限にして、1・2階全体がつながった一室空間としています。これにより、風通しがよく、室内に溜まった熱を自然換気されるようにしました。また、お施主様がローンはフラット35をご利用されることになっていたため、フラット35の「住宅工事仕様書」に準じた省エネルギー性能を担保しています。

 
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[概要]

 所在地:鹿児島市
 家族構成:40代ご夫婦+お子様4人
 延床面積:143.9m2(43坪)
 用途:一戸建て住宅
 構造・規模:鉄骨造 / 2階建て
 敷地環境:シラス台地上の住宅地

[掲載誌]

 新建築住宅特集5月号

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